
Princesas
著者: Philippe Lechermeier
イラスト: Rébecca Dautremer
出版社: EDELVIVES

Marina
著者: Carlos Ruiz Aafón
出版社: Edebé
若い世代に人気のあるCarlos Ruiz Aafónによる180,000部を超えたベストセラー小説。舞台はバルセロナにある寄宿舎です。ここに暮らす主人公オスカー・ドゥレイは、クラスメイトが週末になると家族の元に帰るのに、彼だけはいつも寄宿舎に残っています。ある日彼は寄宿舎を抜け出して街を歩いていると大きな屋敷に辿り着きます。好奇心に駆られてその家に入ってみると、誰もいませんでした。しかし、寄宿舎に戻ったオスカーの手には、何故か時計がありました。友達にとがめられてこの時計を返しにまた屋敷へと行くと、そこにはマリナという少女と父親が暮らしていました…。
さて、物語はここから本当に始まります。マリナに恋をしたオスカーは屋敷を訪れるたびに不思議な経験をするのですが、現実や非現実さらに時空までが自在に交差するストーリーは、ノンストップで読者をひきつけます。また詳細な描写にすぐれた文章は、まるでページの向こうに映像が広がるようです。最後に訪れる悲劇は、オスカーの心に何を残したのだろうか。マリナの言葉は謎めいていて、まるで祈りの言葉のように響きます。本書はミステリーやホラーの要素が盛り込まれたファンタジー小説ですが、マリナの目からオスカーを読み説いてみると、また違ったストーリーを発見できるでしょう。(2008.5)

La Ciudad de los Ignorantes
著者: Carles Arbat
イラスト: Serarols Bescanó
出版社: Brosquil
砂漠の中の小さな町に住む住民たち。笑うわけでもなく、泣くわけでもなく、不幸でもなく、幸せでもなく、淡々と毎日を過ごしていました。退屈になった太陽はこの町から逃げ出してしまったので、ここは何年も夜のままでした。 そんなある日、住民が山の中に落ちている太陽を発見すると、長年忘れていた<光>の存在に気付きます。“太陽があれば、夜と昼があるかも”“木に登れば向こうの町が見えるかも”“赤い靴を履いて踊れば、皆を驚かせられるかも”…。想像はどんどん膨らみ、ついに空に太陽を吊るすことを思いついた住民たち。ちょっと無謀な試みだけど、アイデアを駆使してチャレンジしています。いま皆の顔は笑顔で溢れています。夢や希望を持つだけで、こんなに明るく生きることができるのですね。この絵本は私たちに夢や勇気を持って挑戦することの大切さを教えてくれました。当絵本のイラストレーターSerarols Bescanóは、2002年「ラサリーリョ・イラスト賞」を受賞しています。

¿Dónde perdió Luna la risa?
著者: Miriam Sánchez
イラスト: Federico Fernández
出版社: Kalandraka (2001年)
登場するのは、スペイン語で『お月さま』を意味する名前の女の子ルナちゃん。ある日突然、ルナちゃんの“笑顔”がどこかへ消えてしまいました。ヤギのお腹の中や台所のイスの下などいろいろ探してみたけど見つかりません。彼女のお兄ちゃんも山に探しに行きました。ネコや牛やカエルやオオカミに聞いてみたけど、誰も知りません。そのうち夜も更けて動物たちも寝静まった頃、お月さまの下で目をパッチリ開いたフクロウが“笑う方法”を教えてくれました。早速家でお兄ちゃんが試してみたら、大笑いが止まらないルナちゃん。フクロウは何を教えたのかな?もしかして、お月さまが満面の笑みを浮かべているのはフクロウの仕業だったのかな?女の子ルナとお月様のルナの関係や人間と動物の自然な繋がりが微笑ましいユーモア溢れたストーリーです。独特なタッチのイラストを描くのはスペイン・ガリシア地方出身のフェデリコ・フェルナンデスさんで、この絵本は児童文学イラスト賞を受賞しています。

A bordo del naufragio
著者: Alberto Olmos
出版社: Editorial Anagrama (1998年)
いつも孤独な主人公。ある朝大学へ行き、授業が終わると自分の惨めな過去に耽りつつ、ひとり街中を歩き回る。彼は父親を知らない。母親の新しい夫とはそりが合わず、それ故幼少期から祖父母との貧しい暮らしを余儀なくされた。この忌々しい経験のせいで彼は社会を毛嫌いし、金やモノをただ消費することのみに関心を抱く人々を批判するのだった。本書について特筆すべきは、その記述にある。まず、一貫して二人称形で語られる。そして、異なる状況や時間を大文字のみや句読点を一切使用しない記述で表現するといった実験的手法をとる。さらに、書名 『A bordo del naufragio』(『難破船に乗って』の意)にもみられる意味の矛盾や、発音を利用した言葉遊びをする。不幸な境遇に育ち、孤独な社会的敗者である主人公。しかし彼の批判はじつに興味深く、その意味で彼を「聡明な敗者」と呼ぶにふさわしい。社会を痛烈に非難しながらも、一方で卒業後の自分の将来に悩み、社会システムが果たして自分を受け入れるかどうか不安がる複雑な心の葛藤を描いた、日本在住 Alberto Olmos氏の興味深い現代小説。
この著者の他の本: "Asi de loco te puedes volver"

Un tranvía en SP
著者: Unai Elorriaga
出版社: Alfaguara (2001年)
主人公は年老いたルーカスとマリア兄妹、そして若者マルコス。彼らの日常生活について、やさしいスペイン語で綴られる。3人は一緒に住んでいて、皆とても特別な夢をもっている。ルーカスは、路面電車に乗ってShisha Pangma(ヒマラヤにある山)に登山することが夢だ。マリアは作家になること、そしてマルコスはローマという女の子のハートを射止めることだ。彼らの感情や意見はユーモアのセンスに溢れ、現実社会への見方は世界をまるでおかしなものにする。“邪悪な”マフラーや“スーツケースを持った”ハエについて語ったり、時々死人とおしゃべりしたりするのだ。著者Unai Elorriagaは、物事を生き物であるかのように描写し、小説の中は不思議の国のアリスさながらだ。このバスク人作家の独創性が認められ、本書はスペインで最も重要な賞である“Premio Nacional de Narrativa”を受賞した。この本は彼の処女作である。(書評:アルベルト・オルモス)
この著者の他の本: "El pelo de Van't Hoff"

AMARGA VICTORIA
La crónica oculta del histórico
triunfo de Aznar sobre González
著者: Pedro José Ramírez
出版社: Editorial Planeta (第1版 2000年)
本書は、スペインの新聞『EL MUNDO』(エル・ムンド)の編集委員が執筆したもので、1996年のスペイン総選挙におけるPP(国民党)の勝利の内実を扱った1冊として知られる。スペイン全国を揺るがしたGAL事件や、PSOE(社会労働党)の幹部が関わった横領事件などを絡めながら、政権交代にいたるまでをドキュメンタリー風に描いている。日本で手に入るスペイン関連本で政治を扱ったものは、左翼の考えに基づいて書かれたものが多い。そんな中、この本の著者はかなり右翼に傾倒しているだけあって、普段とは違った切り口のスペインを垣間見ることができるだろう。文中に、ハテナマークやビックリマークが多いのは、これらの内容が全て主観的に書かれているせいだ。政治家の私生活などについても触れられているが、これも個人的な話なので、どこまで信用したら良いのかわからない所もある。ただ、スペインの現代史を批判的に扱った本として読むには悪くないだろう。
この著者の他の本: "EL DESQUITE (Los años de Aznar 1996-2000)" ('04)

Las Tres Mellizas
Los caballeros de la tabla redonda
シリーズ: Las Tres Mellizas
著者: Mariona Anglès y Mireia Broca
イラスト: Roser Capdevila
出版社: SALVAT (第1刷 1999年)
スペインで有名な絵本“3つ子の女の子”(Las Tres Mellizas)シリーズの一冊です。今回のお話の舞台はイギリスの神話「アーサー王と円卓の騎士の物語」。3つ子の女の子は、アーサー王が住んでいるイギリスのキャメロット城に来ています。すると、さっそく大事件!アーサー王がお城を留守にしている間、王座を狙うモールドレッヂがアーサー王の息子と王妃グィネヴィア誘拐したのです。2人を助けるために立ち向かう3つ子の女の子たち。知恵と力を合わせれば、怖いものなんかありません。アーサー王の時代に世界最強の王国を作り上げたと言われる《円卓の騎士団》。3つ子の女の子も入れたらいいのにね。巻末には神話の説明があるので、物語を知らない人はここから先に読むといいでしょう。この“3つ子の女の子”シリーズは他に「ドンキホーテ」、「マルコポーロ」、「クレオパトラ」、「コロンブス」など25冊揃っています。世界の歴史や有名人物について一緒に学べるのがこのシリーズの良いところです。
このシリーズの他の本:
"Romeo y Julieta"
"Leonardo da Vinci"
"Don Quijote de la Mancha"
"King Kong"
"Cleopatra"
"Amadeus"
"Santa Claus" など多数あり

El año que trafiqué con mujeres
著者: Antonio Salas
出版社: Temas de hoy (第1版 2004年)
外国人排斥をスローガンに掲げる“スキンヘッド”の実態を暴いた「Diario de skin」に続く2冊目は「El año que trafiqué con mujeres」。この本は、スペインの売春産業をリアルに描いた本格的ノンフィクションで、その衝撃内容が話題を集めている。著者はジャーナリストのアントニオ・サラス。我々が知るのは彼の名前だけで、その特殊な取材方法からプロフィールや顔は未だ公開されていない。売春婦に近づくため、時にはお客、時には風俗店店長、時にはブローカーを演じる。隠しカメラと録音テープを抱えてルポした一冊には、誘拐や売買によって連れて来られた移民売春婦の証言が赤裸々に綴られている。中でも、アフリカ人女性にブードゥー教の儀式を強制してマインドをコントロールさせる手口には驚愕するばかりだ。他にも、インターネット売春産業や幼児売買、移民売春婦の衛生を管理する「ANELA」と“スキンヘッド”の関係を暴露する。実際、この取材がきっかけで警察の捜査が始まり、数人のブローカーが逮捕されている。現代スペイン社会に潜むヤミに迫った問題の一冊である。
この著者の他の本: "Diario de un skin ('03) "

Olivia no quiere ir al colegio
著者: Elvira Lindo
イラスト: Emilio Urberuaga
出版社: Ediciones SM (第1刷 1997年)
オリビアは、小学校に通う男の子。一緒に暮らしているおばあちゃんのことは大好きだけど、学校は大嫌い。なぜ学校が嫌いかというと、理由は2つありました。1つは、ぬり絵の時間。オリビアは、線からはみ出さないように色を塗るのが苦手です。そしてもう1つは、クラスの友達から、自分のクセ毛を笑われたから……。ある日のことです。おばあちゃんは学校に行きたがらないオリビアの手を引き、学校に連れて行こうとしました。でも、オリビアはダダをこねて泣き出してしまいます。じっと固まったまま、口を開こうともしません。するとおばあちゃんは、自分の子どもの頃の体験を話し始めました。さあ、おばあちゃんはオリビアにどんな話を聞かせたのでしょう。オリビアは学校に行くようになったのかな?おばあちゃんがオリビアに語ったお話は、ちょっぴり切ないお話ですが、それは読んでのお楽しみ。『Manolito Gafotas』の著者として知られる Elvira Lindoさんの絵本です。
この著者の他の本:
"Manolito Gafotas"
"Pobre Manolito"
"¡Cómo molo !"
"Los trapos sucios, Manolito Gafotas"
"Olivia y el fantasma"
"Olivia tiene cosas que hacer"
"Olivia y la carta a los Rejes Magos" など多数あり

La neurona iconoclasta
著者: Carmen Rico-Godoy
出版社: Temas de hoy (第1版 2002年)
家族、仕事、バケーション、スポーツなどをテーマに変わりゆくスペインと変わらないスペインを面白おかしくシニカルに描く。70年代から女性雑誌に掲載していたエッセイを一冊の本として出版したもので、著者はスペイン人ジャーナリスト、カルメン・リコ・ゴドイ(1939-2001)。処女作「Cómo ser mujer y no morir en el intento」は、男と女の役割をユーモラスに描いた小説で、アナ・ベレン監督により映画化されたベストセラー作。2作目「Cómo ser infeliz y disfrutarlo」や3作目「Cuernos de mujer」もエンリケ・ウルベス監督により映画化されている。新進気鋭のフェミニスト作家として知られるだけに、内容は女性の立場から男性を描いたものが多いが、後年は家族や社会の中で失われつつあるコミュニケーションをテーマにした「Cortados,solos y con (mala)leche」や、老化、若さへのこだわりに迫った「Fin de fiesta」など幅広く社会にも目を向ける。鋭い洞察力で人間や社会を分析しながらも、文章は決して堅苦しいものではなく、持ち味のエスプリで軽快に描くところがこれらの本の面白いところです。
この著者の他の本:
"Cómo ser una mujer y no
morir en el intento" ('90)
"Cómo ser infeliz y disfrutarlo" ('91)
"Cuernos de mujer" ('92)
"La costilla asada de Adán" ('96)
"Cortados,solos y con (mala)leche" ('99)
"Fin de fiesta" ('01)

profesiones de ayer y de hoy
著者: Gloria Fuertes
イラスト: Fátima García
出版社: SUSAETA EDICIONES
スカイダイバーになりたいペピンと探検家になりたいペリネス。2人は夢に向かって一生懸命です。子供たちにアイスクリームを配る王様は、みんなに喜んでもらえて大満足。田舎に住むおじいさんは動物に囲まれた生活が大好きです。ピエロの男が言いました。「僕の仕事は子供たちや妻を笑わせること。君はできる?」って。この物語の登場人物は、みんな素朴で美しい心の持ち主ばかり。そんな人たちの数だけ、夢や生き甲斐も沢山あるのだということを教えてくれました。著者グロリア・フエルテス(1917-1998)の作品は、タイトルにも見られるとおり韻を踏んだリズムカルな言葉使いが特徴的。動物や自然をテーマにした児童詩はスペインの小学校の教科書にも採用されています。(6歳以上対象)
この著者の他の本:
"La gata chundarata y otros cuentos"('74)
"El dragón tragón"('79) "El perro
que no sabía ladrar"('82) "Cocoloco Pocoloco"('85)
"Doña Pito Piturra"('87) "La pata mete
la pata"('92) " Chupachús"('95) "Cuentos
de risa"('97) "Aquí paz y además Gloria"('97)
"Los buenos salvajes"('98) "Animalitos amigos"('98)
"Trabalenguas para que se trabe tu lengua"('99) "Bajo
el sol y sin abrigo"('01) "El libro de las flores
y de los árboles"('02) "El libro de las maravillas"('02)

LA HORA DE LOS FÓSFOROS
著者: Carlos Herrera
出版社: La Esfera de los Libros (第6版 2002年)
スペインのラジオ局 ONDA CERO の人気番組『La hora de los fósforos』を収録した本とCDがセットになったもの。この番組は、一般のリスナーが電話で身の回りに起きた面白い出来事を伝えるというもので、とにかく笑える話が盛りだくさん。ちなみに番組名の由来は、興奮したある参加者が「この番組のファン(forofa)です!」と言おうとして、間違って“fósfora”と言ったことに始まるという(マッチを意味する単語 fósforo とさらにゴチャ混ぜになっている)。番組進行役のCarlos Herrera氏は、多数のラジオやTV番組で活躍するほか、料理の本を出版するなど人気のマルチタレントさん。

MIGUEL DELIBES CUENTOS
著者: Miguel Delibes
イラスト: Jesús gabán
出版社: SUSAETA EDICIONES(第1版 2002年)
子供と自然をテーマにした18本のショートストーリー。兄弟喧嘩、探検ごっこ、おじいさんの話、初恋、動物いじめなど、小さい頃に体験した出来事や思い出が鮮明に蘇ってきます。いくつになっても子供の部分を持ち続けることは、人間本来の姿なのだと教えてくれます。イラスト付きの大きな字体で書かれているため、一見児童書のような印象を受けますが、実際に使われている言葉はかなり文学的で難しいです。ミゲル・デリベスらしい豊かな表現力で人間の自然な心情を描いた一冊です。
この著者の他の本:
・灰地に赤の婦人像/彩流社 ("Senora de rojo sobre fondo gris")
・赤い紙/彩流社 ("La hoja roja")
・エル・カミーノ/彩流社 ("El camino")
・異端者/彩流社 ("El hereje")

MUJERES ALTERADAS 5
著者・イラスト: MAITENA
出版社: Editorial Lumen (第4版 2002年)
スペインの新聞『エル・パイス』の日曜版に掲載されているマンガが一冊の本になりました。日常生活でよくありがちなテーマを、女性の視点からシニカルに眺めているこのマンガ。登場人物は、仕事に疲れていたり、男に騙されたり、ダイエットとオシャレに励んでいたり、育児と旦那の世話に追われている女性たち。そんな彼女たちの日々の愚痴や不満を面白おかしく描いた『MUJERES ALTERADAS 5』は、作者の出身国アルゼンチンでも、多くの女性の共感を呼んでいる話題の本です。

Olivia y la carta a los Rejes Magos
著者: Elvira Lindo
イラスト: Emilio Urberuaga
出版社: Ediciones SM (第1刷 1996年/第5版 2001年)
スペインでは、1月6日はロスレジェスという3人の王様が子供達に贈り物を届けてくれるお祭りの日です。オリビアはおじいさんに連れられて、欲しい物を書いた手紙を王様に渡しに行きます。でも途中で他のオモチャにいろいろ目移りして何回も書き直します。そのうち手紙は汚くなり「これじゃ王様が読めない!」と泣き出してしまうオリビアに、おじいさんは子供のころ体験したクリスマスの出来事を話してくれました。心のなごむ素敵なストーリーです。期待通りのプレゼントが届かない訳にナルホド!?『Manolito Gafotas』の著者として知られるElvira Lindoさんの絵本です。(3〜6歳対象)
この著者の他の本:
"Manolito Gafotas"
"Pobre Manolito"
"¡Cómo molo !"
"Los trapos sucios, Manolito Gafotas"
"Olivia y el fantasma"
"Olivia tiene cosas que hacer"
"Olivia no quiere ir al colegio" など多数あり

Ingredientes
著者: Loukie Werle, Jill Cox
出版社: Konemann (第1刷 2000年)
約2千種類の食材をジャンル別に集めた本で、どれも実物の写真と簡単なスペイン語の説明が付いています。例えばお米は72種類、りんごは21種類が細かく分類されていて、他にもパスタ、チーズ、ハーブ、野菜、お肉、お魚など盛り沢山。様々な食べ物の名前を写真を見ながら覚えたり、スペイン料理の食材を探したりするのにも便利な一冊です。ただ、個人的には鳥肉コーナーの写真がグロテスクすぎて、ページを開けるのがちょっと...。

¡ Pobre Antonieta !
著者: Lucia Baquedano
イラスト: Margarita Menendez
出版社: Ediciones SM (第1刷 1995年/第8版 2001年)
普通の卵が産めなくて悩んでいる赤い羽のニワトリ、アントニオータ。周りのニワトリは美味しい卵をいっぱい産むけれど、彼女が産むのはいつも“つぶれた目玉焼”。ワラの中にこっそり“つぶれた目玉焼き”を隠していたけれど、ある日ついに養鶏場の主人に見つかってしまい、さぁ大変!ところが、このあと意外な展開に...。最後の最後までハラハラ・ドキドキのストーリーで、読み出したら止まらなくなる面白さです。
この著者の他の本:
"Fantasmas de día"
"La casa de los diablos"
"Me llamo Pipe"
"Nosotros, los otros y los demás"
"De la Tierra a Halley"
"Los bonsáis gigantes"

Afrodita
著者: Isabel Allende
出版社: Plaza&Janés Editores (第1刷 1999年)
著者はチリの女流作家イサベル・アジャンデ。大統領だった叔父が暗殺されたのをきっかけに亡命生活を送る彼女が、離婚、再婚、娘の病、ダイエットを経験したのちに出版したのがこの『Afrodita』。“神と美の女神”という意味を持つこの本は、愛と食の関係をテーマに、官能的な効果をもたらす味や香りを取り入れた“愛を維持するためのレシピ”が集められています。肉や魚を使った料理やその効果などがエロス的観点から描かれている、なんとも実用的な?一冊です。
この著者の他の本:
・エバ・ルーナ/国書刊行会 (EVA LUNA)
・エバ・ルーナのお話/国書刊行会 (CUENTOS DE EVA LUNA)
・精霊たちの家/国書刊行会 (La casa de los espíritus)
・パウラ、水泡なすもろき命/国書刊行会 (Paula)
原書はフランス語版。作者のPhilippe LechermeierとRébecca Dautremerが創り出した個性的な27人のプリンセスたちの物語です。プリンセスはいろんな国の人たちをイメージしているので、彼女たちの性格はとてもユニークです。きっと自分に似た誰かをこの中から探し出すことができるでしょう。
中でも注目したいのがとても体の小さいプリンセス「Pitonisa」(ピトニーサ)。千里眼のパワーを持ち、前日に次の日の出来事がすべてお見通しです。でも日曜日はこのパワーがお休みなので、月曜日のことは分かりません。タロットやコーヒー占い、手相も得意です。それなのに神経質で怖がり屋ピトニーサは、ストレスを感じるとせっかく千里眼で見えたこともみんなごちゃごちゃになって、間違えてばかりです。
こんな風に27人のプリンセスたちが登場しますが、どれ1つ同じ人物は存在せず、ページをめくるたびに幻想的なイラストと詩的な文章の世界に入り込んでしまいます。巻末には、ちょっとした質問が付いていて、答えていくうちに自分がどのプリンセスに当てはまるか知ることができます。また、プリンセスに関する興味深い格言も国別に紹介されています。 (2008.8)
おまけで付いてきました。