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映画でスペイン語


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スペイン映画のセリフの中で使われている口語・俗語・新語と、そのセリフの日本語訳を紹介します。
  005
Date prisa Lucia, estamos a tope

あらすじ:孤島に建つ広大なお屋敷にひっそりと暮らすグレースと2人の子供たち。グレースの夫は戦地から戻らず、今までいたお屋敷の使用人は突然いなくなったままだった。そんなある日、お屋敷の使用人になりたいという“庭師タトゥル”と“家政婦ミルズ”と“若い娘で口のきけないリディア”の3人がやって来た。ミルズはグレースの前で自己紹介をすると、リディアに代わって彼女のことを紹介する。グレースはリディアに「家政婦の経験は?」「アイロンは?」と質問するが、口のきけない彼女はただうなずくだけだった。そこで、グレースが言ったのが、" Se te ha comido la lengua el gato " (猫に舌を取られたの?)。映画では「緊張しているの?」と訳されている。

 

¿ Se te ha comido la lengua el gato ?  
「どーしてしゃべんないのぉー?」
 


3人称で2人称の目的格代名詞に対して疑問文の形で使用される " ¿Se te ha comido la lengua el gato? " は直訳すると「猫に舌を取られたの?」ですが、意味は「どうして喋らないの?」となります。通常大人が子供を相手に使用するので、日本語で言えば「どーしてしゃべんないのぉー?」てな感じのニュアンスでしょうか。スペインでは、子供が恥ずかしがって何も喋らない時や、怒られて何も答えない時にお母さんや学校の先生がよく使うフレーズです。

この映画では登場人物が何歳に設定されているのか分かりませんが、映画公開当時リディア役の女優エレイン・キャシディは実際21歳、グレース役の女優二コールキッドマンは実際33歳でした。グレースにとってリディアは見るからに年下です。おまけに何も話さないリディアの態度が子供っぽく映ったのでしょう。グレースはちょっと皮肉も込めてこのフレーズをリディアに使ったのです。もちろん、グレースは自分より明らかに年上のタトゥルやミルズにはこのフレーズは使わないでしょう。

もしあなたがスペイン人から " ¿Se te ha comido la lengua el gato? " と言われたら、相手は自分の事を子供扱いしていることになりますが、その相手や言い方次第で愛情を感じたり、落ち込んだりしますよね。私がこのフレーズを使うとしたら、@冗談で言う時、A皮肉を込めて言う時です。@の場合、言われた相手は“子供扱いされた”と嫌な気になる人もいるので、私だったら十分信頼関係のある友人や彼氏に使います。Aの場合は、わざと相手を子供扱いするわけですから、ある程度覚悟して使うでしょう。

私も昔大学の先生からこのフレーズを言われたことがあります。それはスペインの大学の授業で日本語を習っていた時の事でした。うまく日本語が喋れずモゴモゴと発言していたら、皆の前で " ¿Se te ha comido la lengua el gato? " と言われて恥ずかしい思いをした事があります。先生は私よりはるかに年上でしたが、その言い方が皮肉っぽくて嫌な気になりました。日本人の皆さんもスペイン人を相手にこのフレーズを使うときは、相手や状況をよく考えた方が良いでしょう。

さて“猫”に関する言葉で日本人によく質問されるのが、「『猫舌』をスペイン語で何と言いますか?」です。しかし、私は日本に来るまで“猫は熱い物が食べられない”という事を知りませんでした。そもそもスペインに“猫舌”という言葉はありません。日本人はラーメンのスープや味噌汁を熱いまま飲む習慣があるので、“猫舌”という言葉が生まれたのだと思いますが、スペイン人は熱い食べ物はできるだけ冷まして食べるので、自分達が猫舌かどうかすら知らない人が多いと思います。裏を返せば、熱いものを食べたことのないスペイン人は全員猫舌かも知れませんね。そこで、“猫舌”(熱いものが食べられない)をスペイン語で言うとしたら、" No puedo comer comida muy caliente "" No puedo tomar alimentos muy calientes " が挙げられます。ただ、これでは少し説明が長すぎるので私だったら、“猫舌”とは言わずに、“ある食べ物が熱すぎる”という表現をします。例えば、“このスープは熱すぎる”と言いたい時は、" La sopa está muy caliente "" me quema la sopa " を使います。日本人の皆さん、スペインでは決して " tengo la lengua de gato " (私は猫の舌を持っています)とは言わないので、くれぐれもご注意を!

執筆:イサベル・バロソ (バルセロナ大学言語学専攻卒)

 

 

 
  004
Date prisa Lucia, estamos a tope

ルシアはレストランでウェイトレスをしている若い女の子。彼女には6年間同棲しているロレンソという作家の恋人がいるが、最近彼は精神的に不安定で塞ぎこんでいる。そんな彼に暴言を吐いて家を出てきたルシアは、その事が謝りたくて仕事中に電話をする。レストランが混んできたというのに長々と話し込んでいるルシアのところに店長が現れて、ひと言。" Date prisa Lucia, estamos a tope " (急げルシア。店が混んでいるぞ)。映画では「仕事に戻れ」と訳されている。

 

a tope  「満員の」「ぎゅうぎゅう詰めの」
 

A tope とは、「人や物が出すことができる最大の力」という意味で若者を中心に使われる言葉です。これはもともとモーターが最大限の力を出して回転する事をa tope という副詞句を使って " ir a tope de vueltas " と使われた事に始まります。他に例えば、一生懸命働く事を " trabajar a tope " 、一生懸命勉強することを " estudiar a tope " 、毎日を精一杯生きる事を " vivir a tope " と言います。また、そこから派生して「満員の」や「ぎゅうぎゅう詰めの」という意味も持っています。例えば、" La discoteca estaba a tope " (そのディスコは満員だった)、" Los autobuses van a tope a esta hora " (その時間、どのバスも人でぎゅうぎゅう詰めだ)のような使われ方があります。

さて映画では、レストランの店長が estamos a tope (レストランが満席だ)と言っているのですが、上記の説明から考えると El restaurante esta a tope (レストランは満員です)と言うべきです。もちろんこれで間違いありません。ただ、この言い方だと “レストランは満席だけど、自分とレストランは関係がない” という風にも聞こえてしまいます。そこで彼はレストランの一員という立場から同じ仲間に対して、“私たちは、お客さんで一杯の状況だよ”という言い方で “私も、君も、みんな忙しいんだぞ” と強調したのが estamos a tope なのです。

その後映画では、店長から注意されたルシアが彼氏に " tengo que currar. esto se ha puesto hasta arriba " と言って電話を切ります。esto se ha puesto hasta arriba も同じく “レストランがお客さんでいっぱいだ” という意味ですが、ルシアは、“私たちは…” という言い方をしていません。ルシアはロレンソと仕事仲間でもないし、レストランの一員として対応しているわけではないからです。ちなみに、映画の中で esto se ha puesto hasta arriba は「店が混んできたの」と訳されていました。

 

 

 
  003
Estoy hasta los cojones de tantas mujeres en la familia

4人の娘を持つ父親マノロと、その家に居座りつく青年フェルナンド。ある日、フェルナンドはマノロに、4人娘の1人ビオレタとできてしまったことを告白する。このニュースに喜んだ父親は娘ビオレタに「初孫は男の子にしてくれ」 " Estoy hasta los cojones de tantas mujeres en la familia " (家の中は女だらけでうんざり)と言う。
映画では「家族がこう女ばかりじゃたまらん」と訳されている。

 

estar hasta los cojones de...  「...にうんざりする」
  cojón とは、ずばり男性の睾丸こと。 cojón は2つあるので、ふつう複数形 cojones が使われます。この単語は、 joder , coño 同様、驚きや怒りを表す間投詞として使われるほか、熟語として " estar hasta los cojones de... " と使います。スペインの男性は、うんざりすると頭じゃなくて睾丸にいくようです。
ただし、女性の皆さんはこんな下品な単語を使ってはいけません。女性だったら " estar hasta el moño de... " がよく使われます。 moño とは女性の束ねて巻いた髪のことを指します。この熟語は年代を問わずスペイン女性の間で広く使用されていますが、実は moño という単語は、 coño の語頭音が脱落してできたものなのです。 coño とは女性器のことですから、結局スペイン人は男性も女性もうんざりすると同じところに達するようですね。
同義語には、 " estar harto/a de... " , " estar cansado/a de... " の他、ちょっと怒っているニュアンスを含む " estar hasta las narices de... " があります。

 

 

 
  002
Aqui llega la mosquita muerta
映画「オール・アバウト・マイマザー」より

マヌエラは、大女優ウマのマネージャー。そしてウマの娘がニナ。ニナは、マヌエラがマネージャーをしながら女優の座を狙おうとしているのではないかと疑っている。マヌエラが楽屋に入ろうとノックをした時、中にいたニナが、母親であり大女優でもあるウマに " Aquí llega la mosquita muerta " (猫かぶりがやって来た)と言う。映画では「善人ぶった人」と訳されている。

 

mosquita muerta  「猫かぶり」
  mosquita muerta とは、控えめで欲などなさそうに振る舞いながらも、得をする機会は見逃さないような人の事。つまり、腹黒くて油断のならない人のことを指します。
ちなみに mosca (ハエ)を使った熟語に、 " estar mosca " (機嫌悪い・怒っている)、 " estar mosqueado/a " (怒っている・怪しんでいる)、 " tener la mosca detrás de la oreja " (怪しんでいる・疑っている)があります。また、 " picarle a uno la mosca. " とは、何かのせいで落ち着かなくなったり、不安になったり、嫌になったりすることを意味します。 ¿ Qué mosca te ha picado ? (どうかしたの?)は質問型で使われますが、この言葉は、馬が虫に刺されて跳ね上がり落ち着かなくなったところから来ています。
さらによく耳にする " por si las moscas " とは、「万一に備えて」という意味なので覚えておくと便利でしょう。

 

 

 
  001
Es que me va a hacer un feo?
映画「オール・アバウト・マイマザー」より

学校の教室にいきなり入ってきてグレゴリオ先生に鶏の差し入れをしたのは、生徒ホセマリアのお父さん。しかし、先生は受け取らず生徒の前で突き返したため、お父さんは先生に " ¿ Es que me va a hacer un feo? " (私に恥をかかせるのか?)と言う。 " hacer un feo " とは、 恥をかかせるとか、顔に泥を塗るという意味。映画では「私に恥を?」と訳されている。

 

hacer un feo  「恥をかかせる」
  feo を使った他の熟語には、 " más feo que Pisio " があります。意味は「ピシオより酷い顔」。ピシオとは、昔グラナダで靴屋を営んでいた男のことで、この男は死刑を言い渡されていましたが、運良く絞首台の上で容赦されたのです。だが、あまりにもの恐怖でピシオの髪は抜け落ち、顔はデキモノが溢れて醜く変容したのです。そこから、この表現が生まれました。

 

  参照文献:

"JERGAS,ARGOT y MODISMOS" (LIBSA)
"DICCIONARIO del ESTUDIANTE/REAL ACADEMIA ESPAÑOLA"
"Diccionario SALAMANCA"

 

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